講義「子ども会の組織と運営」(本番用)

2018年2月4日
荒木一夫(梅ちゃん)

概要

川崎市子ども会JL研修用の講義案です。
ジュニアリーダースクラブの組織と運営について再考します。

場所 時間 むげん物品 参加者物品
研修室1,2 11時40分~12時10分 ノートPC、プロジェクタ 筆記用具、ワークシート

11時40分(0分)

導入

みなさん、こんにちは。梅ちゃんです。 これから「組織と運営」の講義を始めたいと思います。 久しぶりの講義らしい講義なので、「講義ってなんだっけ」と 思っているひとのためにひとこと投げかけておきます。 講義というのは、辞書によると「意味を説明すること」らしい。 これこれってこういう意味なんだよね、と話すこと、これが講義には なるんだけど、みんなも大人になればなるほどに、「この世に正解はない」という ことに気づくと思う。ぼくにとっての正解がみんなにとっての正解とは かぎらない。そういうふうに考えると、世の中にあるのは正解そのもの ではなくて、そのかわりに「自分が正しいと信じていることがら」になる。 正解は選ぶことができて、そのかわりに他人にそれを押しつけることはできない。 「おれはこういうふうに考えてるんだよね」と説明すること、これが講義の 本来のありかたなんじゃないのかなと思います。


11時45分(5分)

ジュニアリーダースクラブはどうして必要なの

さて、本題ね。今日はみんなにとって一番身近といえる「ジュニアリーダースクラブ」 についてまず考えていきたい。「ジュニアリーダースクラブ」ってなんで必要なの、という 疑問は普段なかなか抱かないかもしれないけど、最初は必要だから作ったはずだから、 作った理由も探ればあるはずだね。

さて、川崎市にはジュニアリーダースクラブが8個あるんです。

  • 川崎区:くじら
  • 幸区:たんぽぽ
  • 中原区:KINDS
  • 高津区:すいせい
  • 宮前区:カイワレ大根
  • 多摩区生田支部:サンフラワー
  • 多摩区稲田支部:ふたば
  • 麻生区:カントリーキッズ

このなかでいちばん最近にできたクラブはどこでしょう? はい、「ふたば」です。あれ、ふたば出身者はだれでしょう? はい、このぼくです。多摩区稲田支部にJLCができたのはぼくが高校1年生の ときです。それまで生田支部にサンフラワーはありましたが、稲田支部と 生田支部はべつべつに活動していて、ジュニアリーダーもべつべつでした。 生田支部にサンフラワーがあって、稲田支部にはジュニアリーダーだけがいて、 ジュニアリーダースクラブはありませんでした。なんかちょっとへんな感じですね。

でもぼくがジュニアリーダーになりたてのころ、クラブがないことにそれほど 違和感を感じていませんでした。なくても活動には参加できたし、名乗るときは 「稲田支部ジュニアリーダー」といえばよくて、区の活動ならただジュニアリーダーという だけでよかったからです。

「あれ、うちってクラブないんだ」と思いはじめたのはやっぱり区外の活動に 参加したとき、それもこのJL研修に来たときに強く感じたわけです。 「他の区にはどこもジュニアリーダースクラブがあって、おとなりの生田支部にはあるのに、 うちにはないんだ」とすこしへこみました。稲田支部は遅れているのでは…と焦りました。

その後1、2年経って、稲田支部にもジュニアリーダースクラブができました。 いまは「ふたば」といいますが、当時は「みつば」でスタートしました。 ジュニアリーダースクラブのクラブの誕生は、みんなにとっては組織の誕生ですね。

初代委員長はぼくですが、クラブになって最初に総会を開いたことをよく覚えています。 クラブになって変わったことをまとめてみましょうか。

  • 区外の活動に出たときに名乗りやすくなった
  • 予算がついた
  • メンバー間の連絡がとりやすくなった
  • 年間行事が明確になった
  • クラブポロシャツなどをつくった
  • 役職を決めた

デメリットもあげてみましょうか。ちなみに出づらいので無理して考えました。

  • きちんと後輩に教えたり、新メンバーを募集したりするようになった
  • 活動報告をしっかりするようになった
  • 参加する行事が増えた(区の内外)
  • 活動のときにクラブシャツを着なくちゃいけなくなった
  • 役職につくとたいへん

クラブ化する、組織化するということは、ふんわりまとめるとこういうことではないでしょうか。

  1. ルールをしっかり決めてそれを守る
  2. 外部の団体に認めてもらう
  3. 活動の目的を明らかにし、活動をしやすくする

もうすこし踏み込んで説明すると、こういうこと。

  1. 活動しやすくするための最低限のルールを決める。JLは子ども会出身の中高生とか、委員長とかの役職をおくとか。
  2. わたしたちはこういうクラブです、とアピールしてクラブの存在を知ってもらう。そして信用してもらう。
  3. 子ども会の活動をサポートすることがジュニアリーダースクラブの最終的な目的。そこをはっきりさせてその目的に合った活動を積極的に行っていくこと。

ひとことでいえば、内側をまとめあげて、外側と積極的にかかわりながら、共通の目的に向かって積極的に活動することが組織化ってことですね。


11時55分(15分)

課題(みんなも考えてみよう!)

はい、ここまでぼくの考えたことを話してみました。

ここからは、みんなもひとりひとりジュニアリーダースクラブについて考えてほしいです。

ワークシートを用意したので、これに沿って書いてみてくださいね。

  1. ジュニアリーダースクラブがあってよかったと思うこと(メリット)
  2. ジュニアリーダースクラブがあってこまっていること(デメリット)
  3. これからジュニアリーダースクラブをこんなふうにしたいという希望

ここで言っているジュニアリーダースクラブは、自分の所属しているジュニアリーダースクラブととらえても、川崎市のジュニアリーダースクラブ全てととらえても、どちらでもオーケーです。

なにか記入について質問はありますか。それでは、10分間時間をとりますので、ひとりひとり記入する時間にします。


11時5分(25分)

まとめ

はい、おつかれさまでした。

プチ発表タイムにしたいと思います。5人まで!挙手お願いします。

はい、ありがとう。では、発表はひとり2項目までで、「梅ちゃんです。メリットで、○○○。希望で、○○○です。」みたいなパターンでお願いします。

短い時間だったけどジュニアリーダースクラブってなんであるのかな、というところを考えてみました。つくったからあるんだよね。で、つくるときには、あるいはつくったあとにもクラブの意味というのは考えるわけです。クラブがあるのはあたりまえと思うひとのほうが多いかもしれないけど、クラブがあるのは実はラッキーかもしれないよね。よりよいクラブにするために、時折立ち止まってクラブの方向性について考えてみてほしいです。

最後に、忘れてほしくないのが組織を設けるのは、共通の最終的な目的があってのこと。ジュニアリーダースクラブを設置するってことは、ジュニアリーダーを結束させて、子ども会をしっかりサポートしていくっていうことなんだ。だから、クラブの活動に参加するときは、子どもたちのために一肌脱ごうという気持ちを忘れないでほしいと思います。


おわり