かずおとりっぷ~新潟KUROSAKI編~

First Day
2016年12月29日
Second Day
2016年12月30日
いずれもnoteに掲載


First Day

「論理的人間というのはさびしい人間のことだよ。わたしもその1人さ。」

「おまえにはまだ誰も見たことがないようなエクスピアリエンスをくれてやろう。」

4時に目覚めた。ぼくは電車の時間を確認し、身支度をととのえて5時前に家を出た。まずはJRの足利駅を目指す。5時50分ごろ足利駅で青春18きっぷを購買した。11,850円である。これで5日分JRが乗り放題になる。足利駅の始発電車が遅いので、東武の足利市駅から伊勢崎駅まで伊勢崎線を利用した。足利市駅でエナジードリンクを購買し、ぼくの気持ちは盛り上がった。

伊勢崎駅でJR両毛線に乗り換えた。青春18きっぷは、改札口で駅員に見せ、利用時に日付を記入(その日一発目の乗車時のみ)してもらって構内に入るという利用のスタイルである。両毛線に乗ってまもなく新前橋駅で上越線に乗り換える。電車はやや混んでおり、座れない。スキー・スノボの人もけっこういる。水上駅で乗り継ぎをする。水上まで来るとやはり雪が積もっており、ホームを歩くとかなり寒い。

長岡行きの電車が出発した。雪国の中を駆け抜けていく。電車の旅のよいところは景色がよいところである。雪がまぶしいのでサングラスをかけてちょうどいい感じ。スキー客が乗り降りする。首都圏で雪が降ると電車は止まるものだが、こっちは雪があっても電車が動くので、なんか不思議だ。新潟は雪が積もっているのかなぁと思ったりもしたが、山を抜けて平野部に入ると雪はめっきり少なくなり、「これならスニーカーでも大丈夫そうだ」と思えた。長岡駅で信越本線の新潟行きに乗り換える。朝ごはんを食べていないし、トイレを我慢していたのでさすがに疲れてきた。ウトウトするうちに新潟駅に着いた。思ったほど寒くはない。

とりあえず歩いてみる。信濃川が見たいので北上する。橋を渡って川を眺め、西側へ曲がっていく。白山駅につながる通りをのんびりと歩く。空が曇ってきた。正直お腹が空いたが、なかなか入れるお店がない。結局ガスト新潟関屋店に入った。ちょっと多めに腹ごしらえ。お茶を飲んで体力の回復を待つ。ここへきて天候が悪化し、強風と横殴りの雨である。あんまり外に出たくないのだが、そうも言ってられず再出発する。折りたたみ傘は骨が1本折れてヨナヨナになった。

黒埼市民会館を目指してひたすら歩く。自転車のない旅行では歩くのが一番好きかもしれない。旅行だからといって特別何かする必要もないと思う。自分が落ち着くことをすればいいだけ。

直線美の映える上越新幹線の高架沿いを歩く。住宅街も抜けてこのあたりは街外れとみえる。黒埼市民会館はもうすぐだ。なにやら雨が強くなってきた。

市民会館は閉まっていたが、ぼくは満足した。記念の自撮りをしたが、全然うまくいかなかったので割愛する。寒くなってきたので向かいのコンビニに避難した。

第2の目的地である自遊空間新潟黒埼店を目指す。国道8号線沿いに歩く。風が強く、もはや傘はほとんど役に立たない。寒い。なんだかテンションが下がってきた。このへんかなあというところで聖地、自遊空間新潟黒埼店に着いた。

自遊空間に入るのは初めてなので、まずは会員登録から。なぜか喫煙リクライニングが満席で、健康的に禁煙マッサージにチェックインした。さすがに聖地だけあり、居心地は抜群だ。オニオンスープを飲みながらマンガが読める。

というわけでこの記事は自遊空間のパソコンから書いている。16時半に入って、はやもう19時近い。

旅行は意味不明な部分も多いが、たったの1日でこれだけいろいろあると楽しい。明日は日本海を見よう。


Second Day

昨日の疲れがたまっていたので7時まで寝ていた。顔を洗って着替え、朝食におりた。ぼくはホテルの朝食というのがかなり好きだ。丸パン、オムレツ、ソーセージ、みそ汁、マーボー豆腐とトレーに盛っていく。選べるなら朝はパン派である。2つに割って中を少しくりぬき、バターをガン塗りにして食べるのが趣味だ。

テレビを見ながらコーヒーをのむ。普段ほとんどテレビを見ないので、たまに見ると新鮮だ。新聞まで読んでいると8時を回った。部屋を片付け、昨夜リサイクルショップで衝動買いしたマンガを読んでゆっくりした。9時ぴったりに出発。

国道8号線沿いを北上し、高速のインターの手前から川べりへ道をそれていく。

今日は昨日よりいい天気かもしれない。河口へ向けてとぼとぼ歩いていく。5キロくらいあるらしい。芝の上を歩くと足への衝撃が少ない。

遊歩道っぽくなっているので土手の下へおりた。なにやら雲行が怪しい…。

にわかにお天気吹雪となり、橋の中へ避難した。昨日買ってリュックに入れたままになっていたワッフルを食べた。ワッフルを食べ終わるころには吹雪もやんできたのでまた歩き出した。河口が視界に入る。日本海だ。波が打ち寄せている。

河口にある水門を左によけていくと青山海浜公園である。風が強く、寒い。波は白い。しばらく突っ立っていたが、寒いので松林の中に避難した。青山駅の電車の時間まで時間があるので、ベンチに座ってマンガ本を読む。日が差してきていい雰囲気だった。11時過ぎに今度は駅に向かう。15分くらいの行程。ちょっとした坂道があった。太陽がぼくに語りかけてきた。

「価値もくそもないんだよ。仮にあったとしてもきみが決めることじゃないさ。」

青山駅で牛乳入り生姜茶を買って電車を待つ。また雪が降っている。よくわからない天気だ。もう帰るところだし記念にわざと当たっておいた。停車駅は青山→関屋→白山→新潟と昨日歩いたルートと大まかにかぶっていた。「見られる者から見る者へ」である。

新潟駅で長岡行きの電車に乗り換え。いやあ疲れた。けっこう長岡まであるんだよなあ。長岡で待ち時間があるのでなにかお昼を食べるつもりだ。

長岡に来るといよいよ雪らしかった。寒い。待合室はあるが売店は外に出ないとないようだ。出ても問題はないが、めんどうなので駅そばに入った。ふだんは駅そばには入らないので、どんな感じなのかなと思ったが、学食のノリで食べられた。悪くない。そのまま電車に乗って出発。お土産を買い損ねた。いつものことである。

山に入ると一面真っ白になった。こんな量の雪を見るのは初めてかもしれない。サングラスだと視界が薄暗い。することもなくウトウトした。

昨日と同じく水上で乗り継ぎをする。折り返し予定の電車が遅れ、しばらくホームで乗り継ぎ客が待たされることになった。ぼくは乗ってきた電車に避難してマンガ本を取り出した。数ページ読んでいたら、当の電車が来ますとのアナウンスがあり、慌ててホームに戻った。雪はやみ、太陽が顔を出した。

マンガを読みながら高崎方面へ。雪がだんだん消える。雪国ともさよならだ。日が暮れていく。上越線が遅れたので、新前橋駅で少し待つ。両毛線に乗り換え。

両毛線で足利まで行ったほうが足利までは早いが、ぼくの最寄りは東武伊勢崎線の福居のため、伊勢崎で東武に乗り換え。またしばらく待つ。雪はないけどこっちもけっこうな寒さ。つらい。

館林行きの電車に乗って福居へ。自宅に着いたのは7時過ぎだ。いやはや、よくがんばりました。

まとめの一言がほしいところだが、なんにも出てこない。もう一度太陽の言葉を引用しておわる。

「価値もくそもないんだよ。仮にあったとしてもきみが決めることじゃないさ。」


おわり